だからって与えないのも危険です、





ー!お腹がすいたんだぞ!」
「えー?さっきあげたじゃん、朝ごはん。」

今日も今日とてこんな会話で始まる私とアルの日常。
アルを買って1ヶ月、いい加減1曲くらいちゃんと完成させたいんだけど。
一日中こんな感じのアルだ。
練習時間なんかほんのちょっとしかとれなくて、結局まだ半分くらいしか歌えてない。

「もー、少しくらい我慢して練習してよ。」
「『腹が減っては遊べない』って菊も言ってたんだぞ!」
「それをいうなら『戦はできぬ』だよ。」

友達が菊を持っているので、たまに遊びに行くけど・・・どうしたらそんな会話になるんだ?

「もー、とにかくまだダメ!」
「そんなぁ!!」
「ダメったらダメ!!」

前から気になってはいたけど、

「この頃アル太ったでしょ、痩せるまではハンバーガー禁止!!
 食事の回数も減らすから!!!」
「鬼ぃ!!」

鬼でもなんでも結構。
食費は浮くし、アルにダイエットは必要だと思うもの。
なんでアンドロイドが太るのかちょっと疑問だけど、
この間友達の菊がまんまるになったって聞いたし。
うちもそうなったら大変だもの!

「ほら、その分練習ちゃんとしよ?歌えばいっぱいカロリー消費するし、
 ハンバーガーが食べれる日も近くなるよ?アルフレッド!」
「・・・・本当かい?」
「本当、本当。」
「なら。」
「よし、じゃ一緒に頑張ろう!」





















そうして、一週間。
食事回数を一日5回くらいしてたのを通常の3回に減らし、
その空いた時間を歌の練習に費やした結果。

「よし、あとはちょっと調整するだけだよ!アル。」
「なら、ご褒美にハンバーガーが食べたいんだぞ、!」
「え、まだダメ。1曲ちゃんとできてからね。」
「なんでなんだぞ!俺はちゃんと元の体重に戻ったのに!
 痩せたらって約束で、曲ができたらなんては言ってないんだぞ!!」
「そうだっけ?どっちにしろ、もうちょっとだから我慢して。」

アルと作っていた曲はあとコーラスを少し撮れば終わり、
アルの体重は元の重さに戻るという最高の形をとれた。
なので私の気分は言うまでもなく、いい感じだ。
が、反対にアルは少々不満げ。
でも本当にあと少しなので、私からすれば、終わらせてしまいたいのだ。

「じゃ、またここからね。いくよー?」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・アル?どうしたの、もう始まってるよ?ほら、もう一回ね。」
「・・・・・・・・・、いやだ。」
「アルフレッド?」
「もう俺にはこんな生活耐えられないんだぞ!毎日毎日出てくるのは魚ばっかり!
 そのうえハンバーガーどころかパンまで『小麦粉ダメ』とか言っては食べさせてくれないじゃないか!!」
「え、あ、あの・・・アル?」
「ここに、ボイコットを宣言するんだぞ。」
「え、ちょ」
「買ってきてくれるまでぜっーーーーたいに曲なんか歌わないんだぞ!
 のバーーーーーーーカ!!!!」
「え、や、アル・・・!」

バッタン!!

「え、嘘でしょ・・・?」

すっごい音を立ててアルはおしいれに引きこもってしまった。
もしかしなくても、私のせい・・・だよね?
とりあえず、出てきてもらわないと・・・!

「アールー!アルフレッドー?出てきてーお願いー。
 謝る、謝るから!ね?だから許してー!」

・・・・返事は返ってこない。
マジでか、こんなになったことないよ!?
ケンカしても謝れば許してくれてたのに、これはヤバイよねぇ!?

「アールー!アルフレッドってばー!!買ってあげる!買ってあげるから、ハンバーガー!」

・・・・え、やっぱり返事くれないんだけど。
わたし、どうしたらいいのよー!!泣










加減をしましょう。

すべて言うことを聞くと思ったら大間違いですよ?








マスターと一緒。
第2弾!アルってすねたらめんどくさそうじゃないですか?