※ボカロパロの上、国さんたちが人形サイズのアンドロイド型、という設定になっています。捏造ばっかりです注意!
ちゃんと歌えるか、確認してください。
「初めましてぇーな、マスター!名前長いから、アントーニョとかアントンとかトーニョとか
まぁ、俺のことは好きに呼んでぇな。」
「あ、うん、よろしくえと・・・アントーニョ?」
「ん、よろしゅう。」
通販を何の気なしにぼーっと眺めていたら発見した、スペロイド。
見本に載ってた写真の笑顔に一目惚れして、ついつい買ってしまった。
・・・・けど。
「大阪弁・・・・なんだね。」
「まぁな?」
「・・・・・大丈夫、なの?」
「?なにがや?」
「いや、その・・・。」
歌、大阪弁じゃなきゃダメとかないよね・・・?
私、大阪弁なんて全然知らないんだけど・・・・!
「な、なんでもない・・・・。」
「ほんまか?」
「ほ、ほんま・・・。」
「ならええけど。・・・・で?」
「え?」
「マスターの名前。教えてくれへんの?」
「あ、ごめん。名乗ってなかったね、私、って言います。」
「・・・ええ名前やねぇ♪」
「あ、ありがとう・・・。」
「で、マスター・・・・や、。俺は何を歌えばえーの?」
「え、あぁ、えっと・・・・。」
用意していた歌を出しかけて、動きが止まる。
・・・本当に大阪弁じゃなきゃダメだったら、この歌じゃ、ダメじゃない。
「あー、えと・・・そ、その前に声だししよう?」
「え、まぁ、ええけど・・・。」
「何歌える?得意な歌歌ってよ。合わせてピアノ弾くから。」
「んー、あ!●ジャ●∞とか好きやで!・・・弾ける?」
「あ、友達が好きで弾いてたりした、から・・・・。」
「ほな、それで。」
え、どどど、どうしよう!?
やっぱり大阪弁じゃなきゃダメ!?
だって思いっきり大阪弁だよね、あのグループって!!(決してそんなことはない)
「〜♪」
ノリノリで歌ってるし!
本当に、どうしよう・・・・・。
「どや!中々やろ?俺の美声!」
「う、うん。すっごい綺麗にのびるね。羨ましい。」
「ほんまか?なんや、嬉しいなぁ。」
不安に思いながらも聞いていて、本当に綺麗だなと思った。
そして、なんだか照れているらしい笑顔がやっぱり可愛い。
「で、さっき出しかけたの、曲やろ?見せてぇーな。」
「え、あ、あのでもその・・・!まだ書き途中だし・・・!!」
「なら、俺の歌聞いてまたアレンジ加えた方がええんとちゃう?
試しにちょっと歌ってみたいんやけど・・・・ダメ?」
「うっ・・・」
正論+おねだりのポーズ(というか目線)=反則でしょ・・・!
「あ・・・の・・・・えと・・・・。」
「なんや、もしかして恥ずかしいん?これからはもっとたくさん作ってもらうし、歌うんやで?
今からそれでどないすん!な?貸してみぃて!」
「あ!」
ぐい、とひっぱられ、あっさりと奪われた楽譜。
すらすらと目を通し、うなずくアントーニョ。
そして。
「・・・・・ええ歌やなぁ。」
一言、そうつぶやいた。
「そ、そう・・・?」
「もちろんや!俺は嘘はいわへん!・・・ちょっと歌ってみてええ?」
「え、あ・・・」
でも・・・!
アントーニョ、大阪弁でしか歌えな・・・・
「〜♪」
「え」
「ん?なんや、どこか違た?」
「う、ううん。大丈夫・・・。」
「そか?ほな・・・〜♪」
歌えるんじゃない。
な、なんだ。
心配しなくて良かったんだ!
そうだよね、訛りとかある人だって歌う分には変わりなく歌ってるもんね!
あー、心配して損したぁ。
あやうく大阪弁講座ってネット検索するところだったよ。
危ない危ない。
「・・・・・首振ってどないしたん?やっぱ、どこか違うんと・・」
「ううん!こっちの話で、全然関係ないから大丈夫!
むしろ想像以上でいいよ。すっごく大満足☆」
「ほんまに、そうか・・?」
「うん、ほんまほんま!・・・ほら、じゃもう一回歌って?アレンジ、一緒にしよ?」
「・・・・やっぱり、その方がええなぁ。」
「?何が?」
「こっちの話や。」
「何それ。マスターにちゃんと教えなさい!」
「いやや。かて教えてくれへんもん。教えてくれたら教えたるー!」
「こらー!」
標準語でも、歌えるはずですが。
ちゃんと取扱説明書へ記入はしてあるんですが・・・ね。
マスターと一緒。
第3弾!ちょっと心配したり・・・しません?